ウナギ捕獲法「ふてばり」―下流にダムのない川なら絶対に獲れる!

アクティビティ

 私の実家を流れている瀬戸川では、子どもの頃、何十匹も面白いように天然ウナギが獲れました。
 
 父がまな板の上でさばき、特製ダレをつけて炭火でじっくり焼いてくれました。
 
 とろけるような味は格別でした。
 
 今では下流にダムができたために稚魚が遡上できず、ウナギはまったく生息していません。
 
 ですが、下流にダムのない川なら、絶対にこの方法で獲れるはずです。
 
 では、他の捕獲方法とともに、「ふてばり」というウナギ捕獲方法をご紹介します。

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ウナギ捕獲法あれこれ

 本やインターネットで紹介されているウナギ捕獲法の主なものをご紹介します。
 
 現在も実際に行われているものばかりですので、興味のある方はぜひ、チャレンジしてみてください。

① 釣り

 ウナギが釣れる時期は4月中旬から10月末までです。
 
 釣れる時間帯は早朝4時から5時と夕方19時から20時です。
 
 釣れる場所は河口から上流まで幅広い範囲で、特に大きな岩が沈んでいる場所は好ポイントです。
 
 仕掛けはロッドの振り出しタイプのものを使い、エサはミミズ、エビ、ドジョウ、小魚です。
 
 仕掛けにエサをつけてアタリがあるまで根気よく待ちます。

② 筒(又はパイプ)漁法

 ウナギは何かに隠れるという習性があるので、筒を使って捕獲します。
 
 直径10cmから30cmの筒がいいです。
 
 太いパイプでも問題ありません。
 
 筒の中にウナギが入っている場合は片方の出入口を何かで塞ぎながら、または片方に網などで栓をしておいてもいいです。
 
 ウナギがいそうなポイントに、たくさんの竹筒を仕掛けておけば捕獲の確率が上がります。

③ 竹網筒漁法

 ウナギの狭いところに入りたがる習性を利用した伝統漁法で、出入口に「ウケ(クビ)」が設けられていて、一度は行ったら出られない仕組みになっています。
 
 今ではプラスチック製のものが主流になっています。
 
 竹筒の中にエビやミミズなどを入れてポイントに沈めておきます。
 
 ひと晩から数日沈めておくと、エサのにおいにつられて入り込むという仕組みです。
 
 ②とはエサが入っているかどうかの違いです。

④ 延縄漁法

 高知県四万十川の伝統漁法と言われています。
 
 針の先に川魚やミミズを付けたハリス(釣り糸)を施し、それを縄にくくり付けて川の中に延ばすようにしてひと晩沈めておきます。
 
 比較的比較的大物ウナギの捕獲に適しています。


 そのほかにも捕獲方法はあるかもしれませんが、私の知る限りではこのくらいでしょうか。
 
 ところが、これ以外に亡き父から教えてもらった漁法があります。
 
 ①から③の漁法とはまるで違いますが、④に若干似ています。

⑤ ふてばり

(1)仕掛け
 タコ糸に魚釣り用針よりも一回り大きな針を取り付けます。
 
 その針に小魚を口から尻に抜けるようにしっかりと刺します。
 
 川の流れでエサが取れてしまわないようにするためです。
 
 それから、タコ糸の先を魚釣り用のロッドよりも一回り太い木の枝に縛り付けます。
 
 これが「ふてばり」用の仕掛けになります。

(2)仕掛け時
 夕方、この仕掛けを大きな岩の中に差し込み、木の枝が流れないように大きな石を重石にしておき   ます。
 
 どんな岩でもいいわけではありません。
 
 片方が塞がれている岩はウナギが入り込めないので、あらかじめ仕掛けを反対にして岩の中に差し入れて筒抜けになっていることを確認します。
 
 この岩選びで捕獲できるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

(3)引き上げ
 翌朝辺りがうす暗いうちに仕掛けを引き上げに行きます。
 
 重石を取り除き、ゆっくりと仕掛けを引きます。
 
 そのときに引かれるか感覚があれば、食いついている証拠です。
 
 仕掛けを引き上げるときのわくわく感がたまりません。
 
 多い時には20匹以上も食いついているときがありました。

(4)さばき
 捕獲したウナギをまな板の上に置きます。
 
 頭に錐を突き刺します。
 
 包丁で腹を裂いて骨を抜き取ります。
 
 広げたウナギを何枚か切り取ります。
 
 特製ダレをつけ、炭火で焼いて食べます。
 
 自家製のたれをつけて食べる天然ウナギの味は最高でした。

おわりに

 昔の人たちの知恵ってすごいですね。
 
 山や川のある自然がいっぱいの私の実家では、「ふてばり」だけでなく、様々な体験ができます。
 
 都会の慌ただしい生活に疲れ、癒しを求めている人たちは、お子様を連れてぜひ私の実家にいらしてください。
 
 都会では絶対に味わえない貴重な自然体験ができ、子どもたちの一生の思い出になるはずです。

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