私の故郷は静岡県の西部にある浜松市の北部にあります。
愛知県東部の東栄町との県境の山間地です。
アイキャッチ画像の一番奥にあるのが我が家です。
ご覧のとおり、周囲を山に囲まれています。
ですから、様々な野生動物が生息しています。
例えば、サル、シカ、イノシシ、タヌキ、ハクビシンなどです。
サルやシカは昼間に見ることができます。
イノシシ、タヌキ、ハクビシンは、夜間に行動するため昼間は見られません。
その中から、サルとシカについてご紹介します。
シカとサルの驚くべき行動
シカとサルの姿は、昼間でもごく普通に身近で見ることが出来ます。
シカもサルも離れた場所ではなく、家のそばで見ることが出来るので驚きです。
サルもシカも群れをなして行動することが多く、たまに単独でいるのを見掛けることもあります。
それでは、シカとサルの驚くべき行動をご紹介します。
シカの集会
初夏のある日のことです。
その日は帰宅が遅くなって、辺りが薄暗くなっていました。
私の自宅は、県道九号線の(通称天竜東栄線)の反対側の山の斜面にあります。
車で県道から急坂を下り、天竜川の支流大千瀬川のさらに支流の相川の上流を流れている、瀬戸川に架かる瀬戸橋を渡り、再び坂道を登り切って左カーブをとり百メートルほど先が我が家です。
その坂道を登り切った右手に隣家の農機具小屋がありますが、その西側に草地があります。
2アールくらいの面積があるでしょうか。
車で坂道を上って行くと、農機具小屋の陰になってその草地は見えませんが、道が直線になると、右手にはっきりと見えてきます。
私は、その日も坂道を登り切って左にカーブしました。
はじめは農機具小屋の陰と辺りの薄暗さではっきりと確認できませんでしたが、右側前方に数頭のシカがいるのが目に止まりました。
その時は、「また鹿か」くらいにしか思いませんでした。
車が直線になったので、右側の視界が開け、草地全体が見えるようになりました。
私は思わず、車を急停車してしまいました。
そこで私が見たものは、数頭どころのシカではありません。
15頭から20頭くらいいたでしょうか。
群れをなして、草地が隠れるほどの数のシカたちが集まっていたのです。
私はシカたちが襲ってくるような恐怖心を覚え、シカの群れを凝視することができず、思わず視線を前方にそらしました。
その時です。
左下の急斜面からさらに2頭のシカがガードレールを跳び越えて、私の目の前を通過し、先ほどの群れに加わったのです。
私は目の前で起こっていることが、現実でないような感覚に陥りました。
目の前で何が起こっているのか、頭を整理するのに時間がかかりました。
少し落ち着きを取り戻し、冷静になってから「シカの集会か」と直感的に思いました。
私の想像ですが、恐らくシカたちは食べ物のない山から里に下りてきて、これから自分たちはどのように食べ物を手に入れて生きていけばよいのか、と話し合っている最中だったのでしょう。
「俺たちにとっては、まったく住みにくい世の中になったものだなあ」とシカの嘆きが聞こえるような気がしました。
サルの群れ
シカ同様、野生のサルを見掛けることは珍しいことではありません。
初めて来町された方は、車を運転している時、突然目の前に野生のサルが現れたら、さぞかし驚かれるに違いありません。
でも、私たち地元の住民は、珍しくもなんともありません。
たまに群れを離れて1頭だけで行動しているサルがいますが、だいたい2~3頭、多いときには数頭から数十頭で群れを成して行動しています。
私の自宅は山の中腹にあるので、眼下を流れている瀬戸川が良く見えます。
2~3日前だったでしょうか。
キー、キーいうけたたましい声に引き寄せられるように、眼下の川を見ました。
すると、そこには十数頭のサルの群れがいたのです。これほど大軍を見たのは、初めてだったので驚きました。
サルの電線渡り
私は朝起きると2階の窓を開け、清々しい朝の空気を胸いっぱい吸い込みます。
毎朝柔らかな日差しと澄み切った空気を浴びるのが朝のルーティーンになっています。
ある日の朝のことです。
いつものように2階の窓を開け、清々しい空気を胸いっぱい吸い込んだ後、向かいの山を見ました。
珍しい光景は目に飛び込んできました。
サルの綱渡りではなくて、サルの電線渡りを目撃したのです。
数頭のサルが実に見事に、等間隔を保ちながら電線を渡っていくのです。
「猿の電線渡り」の話は聞いたことがありますが、さすがに目の前でそれを見るのは初めてだったので衝撃的でした。
サルの存在そのものよりも、サルのバランス感覚に感激しました。
おわりに
サルやシカは見慣れているので何ともありませんが、さすがに異常な行動を見ると地元の人間でも驚きます。
今回紹介したのは特別な、シカとサルの異常行動ですが、普通の野生のシカやサルならわが町に来ればいつでも見られます。
この間も我が家の茶園に茶の剪定をしに行ったとき、私の気配を感じたシカたちが突然、茶畝の中から飛び出てきたのです。
それも1頭ではなく、3~4頭のシカが一目散に逃げていったのにはさすがに驚かされました。
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