365段の石段をゆっくり登りながら後ろを振り返ると、標高2000m級の山並みを望むことができます。その絶景に思わず「わー、すごーい」と感嘆の声。石段の両側には昭和を彷彿とさせる射的場、駄菓子屋、そして老舗旅館が建ち並んでいます。日本にこんな風情のある石段街があるなんて驚きです。石段を登りつめた場所には、伊香保温泉の守護神、「伊香保神社」がありました。
伊香保温泉石段街
石段の下に立って上を眺めると、空に向かって続いているような石段が見えます。「石段はいったい何段あるのだろう?」と不安な気持ちになります。でも、心配いりません。所々に平らな面があって、疲れたらひと休みすることができるのです。
観光客を迎えるお店
石段を挟んで両側にはお店がたくさんあります。お土産屋、饅頭屋、駄菓子屋、飲食店、射的などの遊技場。どれも昭和の良き時代を感じさせてくれます。路地の奥には老舗の旅館もありました。上り疲れてちょっとひと休み。「足湯」が疲れを癒してくれました。
絶景を望む
石段街にある立ち寄り湯「石段の湯」から北東方向に目をやると、志賀高原から上越国境の山並みが見えました。どれも2000m級の山々です。「三国山」、「仙ノ倉山」、「十二ヶ岳」、「中ノ岳」、「小野子山」など、群馬県と長野県の境に広がる山並みです。
石段に刻まれた与謝野晶子の詩
女流歌人の与謝野晶子の「伊香保の街」という詩が、石段の途中に刻まれていました。一部を紹介します。榛名山の一角に、段また段を成して、羅馬時代の野外劇場の如く、斜めに刻み附けられた 桟敷形の伊香保の街、屋根の上に屋根、部屋の上に部屋、すべてが温泉宿である、そして榛の若葉の光が柔らかい緑で 街全體を濡らしてゐる。以下画像をご覧ください。
我が国温泉都市計画第一号の地
「長篠の戦い」で敗れた武田勝頼が傷んだ兵士を癒すための湯治場をつくるように、臣下の真田昌幸に命じてつくらせたのがはじまりと言われています。400年以上も前に計画された温泉街の形成ということで、「我が国温泉都市計画第一号の地」という石碑が建てられているのです。
群馬県屈指のパワースポット「伊香保神社」
石段を登り切ったその先にあったのは、「伊香保神社」でした。この神社は伊香保温泉を守護する神社です。農業、商業、縁結びの神で、「五穀豊穣」、「商売繁盛」、「家内安全」、「子授」などのご利益があると言われています。
おわりに
今回、二泊三日のバスツアーでこの地を訪れました。群馬県に足を踏み入れたのは初めてで、ここには伊香保温泉や草津温泉をはじめ、多くの温泉があることを知りました。伊香保温泉の名前は知っていましたが、このような石段の街に温泉があるとは思いませんでした。まだ、行かれていない方は、一度は訪れてみる価値のある温泉街だと思います。
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