映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」を観ました。
この映画は押見修造(おしみしゅうぞう)のコミックを実写映画化した青春映画です。
2018年7月14日に公開されました。
監督は湯浅弘章(ゆあさひろあき)、主演は南沙良(みなみさら)と蒔田彩珠(まきたあじゅ)です。
※押見修造 漫画家 代表作「漂流ネットカフェ」「悪の華」
※湯浅弘章 映画監督 代表作「真・女立喰師列伝/草間のささやき」
※南沙良 モデル・女優 同映画で報知映画賞新人賞、高崎映画祭最優秀新人女優賞、ブルーリボン賞 新人賞、日本映画批評家大賞新人女優賞
※蒔田彩珠 女優 10歳の時阿部寛の娘役「ゴーイングマイホーム」で是枝裕和監督から演技を高く評価され、「三度目の殺人」「万引き家族」などに是枝監督作品に出演
映画概要
高校1年生の新学期、吃音に悩む大島志乃はクラスの自己紹介で自分の名前がうまく言えず、笑い者にされてしまう。
それ以来、高校では一人ぼっち。
ところが、ひょんなことから同級生の岡崎加代と友達になる。
バンドを作りたいと願う加代が、志乃の歌声に心を奪われ、一緒にバンド「しのかな」を結成する。
そして、文化祭への出演を目標に猛練習を始めるのだった。
映画感想
志乃も加代もクラスに馴染めないコンプレックスを持っています。
二人とも教室ではいつも一人ぼっちです。
志乃は「吃音」がありうまく言葉を発せないためにクラスに溶け込めません。
同じく加代も歌が下手で、周囲からバカにされるという苦い過去を抱えています。
そんなコンプレックスがある者同士がバンドを通じて絆を深めていきます。
この映画ではコンプレックスを抱えながら懸命に生きている少女たちの姿が瑞々しく描かれています。
鼻水を垂らしながら号泣する南沙良の迫真の演技に思わずもらい泣きしてしまいます。
南沙良は「吃音」のある女子高生という難しい役柄を演技力抜群に演じ切っています。
また、蒔田彩珠はどこか陰りのある役柄を嫌味のないごく自然な演技で演じています。
この映画はハッピーエンドでは終わりません。
この映画は二人が悩みを抱えたまま日常を過ごしているシーンで幕を閉じます。
長い人生の中で自分の思い通りにいかないことがあっても、たくましく生きていかなければならない。
この映画は志乃と加代を通して、そのことを我々に教えてくれているような気がします。
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