特定の主人公を定めず、複数の登場人物それぞれにスポットライトを当てて物語を展開していく手法の小説、いわゆる群像劇を書きたいと考えている人がいるでしょう。
そのための構想の立て方3ステップをお教えします。
このやり方をマスターすれば、小説の全体像を把握することができ、筆が進みます。
取り上げる小説のタイトルと概要
「小料理店〈志乃〉をめぐる男女5人の邂逅物語」(発行:デザインエッグ株式会社)
小説は第1章から第5章までの5部構成になっています。
それぞれの章に登場する人物が主人公となって、一人称で物語が展開していきます。
概要は以下のとおりです。
小料理店〈志乃〉を訪れる4人の男たちには、様々な人生のドラマがあった。〈志乃〉の女将とのふれあいは、男たちの心を癒し明日への活力となっていく。だが、女将にもぬぐい切れない、苦い過去があった。男女5人をつなぐ、不思議な出会いの物語である。
構想の立て方3ステップ
1 読者に伝えたいテーマを決める
苦い過去を背負った4人の男が、小料理店〈志乃〉の女将との触れ合いを通して、心を癒し生きる希望を見出していく。また、女将自身も4人の男に料理やお酒を提供し、苦悩を聞いてやることで自分自身も癒されていく。
2 登場人物(5~6人程度)を決める
第1章 林徳太郎 清掃員(元濱岡出版編集者)
第2章 桐山祐司 濱岡出版編集者(林徳太郎の元同僚)
第3章 大久保湊 ハイドログリーン(水耕栽培会社)社員
第4章 山岡光毅 スズサン工業社員経理担当
第5章 君嶋綾乃 小料理店〈志乃〉の女将
3 イメージ画を描く *最も重要な要素です

① 登場人物を入れる
② 職業(勤務先)を入れる
③ エピソードを入れる
④ 登場人物同士の関係性を矢印でつなぐ
⑤ 関係性を明記する
⑥ そのほか、必要なことをどんどん明記しておくとよい
まとめ
小説の構想を箇条書きするよりも、イメージ画を描くことで小説の全体像がイメージできます。
イメージ画によって、それぞれの登場人物の関係性が明らかになり、どのように物語を展開していけばよいかがはっきりしてきます。
読者の皆さんも、ぜひ群像劇の構想の立て方3ステップをお試しになってください。
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